熊谷の各務ガラス工房(表札・パネル)

現在、千葉市美術館で開催中の「田中一村展」へ行ってきました。日曜美術館で紹介された直後だっただけに、結構混んでいました。このご時世、入口での検温と消毒は必須ですね。
田中一村(1908-1977)は、千葉市に20年住み、50代になって奄美大島に移住し亜熱帯の花鳥や風土を題材にした独特の日本画を描くも、生前それらの作品を公表する機会もほとんどなく、ひっそりと没しました。

さて、私がこの「孤高の画家」を知ったのは20代の頃。たまたま入った新宿三越美術館(もうありません)で彼の展覧会を見たのがきっかけ。日本画と言えばシットリと花鳥風月を描くものだと思い込んでいましたが、この人の作風はまさに熱帯の「熱」を感じさせます。アンリ・ルソーの熱帯の絵を連想させる作品が特にいいなと思います。

展示数も多く、彫刻家の父とのコラボ作品もあり、見応えがありました。特に「神童」と言われた幼年期の作品は素晴らしく、早熟の天才という印象です。あえて貧乏の中、黙々と絵を描き続けた画家の生涯に感動するとともに、作家の業を感じました。

千葉市美術館 田中一村展