画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_5124-1-576x1024.jpg

【菩薩交脚像】

大好きな国立東京博物館の東洋館は私にとってのワンダーランド♪私のオシはこちらのガンダーラ仏。優しい眼差しにちょっぴり上がった口角。その美しいアルカイックスマイルに毎回うっとり。

キャプションには『花網飾りを持つガンダーラの菩薩像は、観音菩薩と考えられる作例が多いですが、本像は頭のターバン飾りにガルダにさらわれるナーギニーの図を表わしているのが特異です。また、交脚像には弥勒菩薩の作例が多く、像の名称は意見が分かれています。パキスタン・マルダン地区|クシャーナ朝・2〜3世紀』と書かれています。

インドの西北、インダス川上流域にあるガンダーラ地方(現在のパキスタン)は、クシャーナ朝時代に仏教美術が栄え、一般にヘレニズムの影響を受けてここから仏像が出現したとされています。2〜3世紀は、日本で言えば弥生時代です。土器を焼いて稲作をしていた頃、既にこちらの石仏が作られていたわけですね。

仏像彫刻はガンダーラにおいて、ヘレニズム(ギリシア彫刻)の影響を受けて始まったという説は現在も有力であるが、一方で、仏像彫刻の発生をクシャーナ朝とローマ帝国の交易を背景としたローマ美術の影響であるとする説も有力であり、現在も論争が続いている。また、仏像彫刻の発祥の地をガンダーラではなく、インド独自にマトゥーラで生まれたとする有力な説もある。(高田修『仏像の誕生』岩波新書) このあたりは奥が深いので、もっと本を読んでみたいと思います。

国立東京博物館・イケメン「ガンダーラ仏」